【現役歯科医が解説】ミドル世代から始める矯正治療

みなさんこんにちは。私歯医者をしています。そして、大学院で歯科矯正学分野を勉強しています。今日はミドル世代から始める矯正についての話をさせていただきます。

矯正治療は若いうちに受ける治療のイメージが強いかもしれませんが、最近ではミドル世代から矯正を始めている人も増えつつあります。ミドル世代が矯正を始める理由は、昔に比べ歯の清潔さや歯並びが重視されてきていることが挙げられます。

若い頃は時間やお金がなく、矯正治療を受けてこなかった人たちがミドル世代になって、経済的にも時間的にも余裕が生まれ、矯正治療を受ける人が増えています。

でも、今から始めるのは遅すぎませんか？

そんなことありませんよ。実は歯というのは何歳からでも動かすことができます。

そうなんですか、よかった！

ですが、矯正をする前に、知っておかなければならないこともあります。

始める前に知っておきたいこと

実は若い時、歯並びが綺麗だった人でも年齢を重ねると、歯並びが崩れてくることが多いです。これは歯が絶え間なく動いているからです。逆に言うと、もともと歯並びが良くなかった人も、矯正によって歯並びを改善することができると言うことです。

現在の平均寿命は80歳を超えており、仮に40歳から矯正を受けたとしても、残り半分の人生を綺麗な歯で過ごすことができます。

しかし、注意することもあります。例えば、歯周病を患っている人や歯の欠損が多い人は矯正治療を受けられない場合もあるので、まずは歯医者に行って相談してみてください。

基本的に、矯正を始めるのに遅すぎることはないので、歯並びを綺麗にしたいと思った方は、すぐにでも歯医者に行って相談することをお勧めします。

ミドル世代から始める矯正のメリットとデメリット

まずはミドル世代から矯正を始めるメリットについて紹介します。一般的に30歳をすぎた頃から歯周病リスクが高くなり、歯周病になりやすくなります。特に歯並びがよくない人は歯並びがいい人に比べ、リスクが高くなると言われています。

なので、歯周病になる前に、矯正治療を受けることで歯周病リスクを抑えられ、歯の健康寿命を延ばすことができます。また経済的に余裕がある人が多いので、治療の選択肢も広がります。他には、治療中の器具や歯のケアについても、青年期の患者さんは、面倒くさがってきちんとしない人も多いですが、ミドル世代の患者さんは大人なので、細かいところまできちんとケアしてくれる人が多く、治療の進行や効果も高くなります。

しかし、同時にデメリットもあります。年齢を重ねると歯茎や歯の周りの骨が衰えたり、硬くなってしまい、人によっては歯が思うように動かないこともあります。また、長期間の喫煙などにより、早期に歯周病になってしまった人は矯正治療を受けられないことがあります。

つまり、矯正治療をしようかを悩んでいるミドル世代の方は、歯周病になる前にできるだけ早く治療を始めることをお勧めします。

ミドル世代に合う矯正方法

前に紹介したように矯正方法の種類は大きく下の三つに分けられます。その中でもミドル世代に合うものと合わないものがあるので、今から紹介していきます。

簡単に分けると軽い矯正をしたい人はマウスピース矯正で十分に改善できます。逆に、歯並びが良くない人や、きちんと根本的に歯並びや咬合を改善したい人はワイヤー矯正を行った方が高い効果が期待できます。

しかし、ミドル世代の方々は会社でも重要なポストにいる場合が多く、会議も頻繁にあります。そのため、会議中に矯正器具を見られたくない方はマウスピース矯正が向いています。また、歯周病の方はワイヤー矯正を受けられないことがあります。

機能的矯正装置は成長期（男子：12-17　女子：10-14）の子供向けの治療なので、ミドル世代には受けることができません。

まとめ

ミドル世代の方々はすでに会社に重要なポストにいる方が多いです。しかし、それと同時にまだまだ働き盛りでこれからも上を目指そうと言う方も多いはずです。さらに、上に登るためには外観などの第一印象も重要なポイントとなってきます。なので、この機会に矯正をすることで、さらに自分に磨きをかけて、綺麗な笑顔を目指しましょう。

今回の記事がこれから矯正を始めようとしているミドル世代の方々の参考になれば嬉しいです。

今回の記事を読んで分からないことや、矯正に興味を持った方がいたら、私にお気軽にご連絡ください。もちろん矯正以外のことでも、悩みや聞きたいことがあれば、私になんでも聞いてください。

では、また次回の記事でお会いしましょう！

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